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茶道における棗(なつめ)とは?

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上の写真は、果物の棗(なつめ)です。

滋養がある果物なので、中華の薬膳に使われたり、ドライフルーツにして食べたりしますよね。(棗のドライフルーツ、甘くて美味しいですよね。)

茶道で使われる道具にも、棗(なつめ)があります。

茶道具の棗は、果物の棗の形状から名付けられたと言われています。

茶道具の棗(なつめ)とは?

茶道具の棗は、抹茶を入れる容器です。

通常、薄茶(濃茶よりも気軽なお茶)用の茶器として用いられています。(なので棗は、薄茶器、薄器とも言います。)

もちろん、棗で濃茶をすることもありますが‥。(大津袋や包袱紗といったお点前がそれに当たります。)

 

棗は、侘び茶の祖・武野紹鷗の頃より重んじられるようになったと言われています。

そして現代でも、利休好み(利休形)の棗がたくさん使われているように、千利休によって棗によるお茶が推し進められました。

千利休が考えた棗の独特のフォルムは、利休さんが目指した、侘び茶の極地を表していると思います。

全ての無駄を削ぎ落としたもてなしをするという禅の精神が現れています。

高価な茶入にかわるシンプルな棗

実は、利休さんの前にも茶道は存在したわけなのですが(武野紹鷗も利休さんより前の方です。)‥、利休さんの前には、どんな容器にお茶が入れられていたのかというと、それは「茶入(ちゃいれ)」となります。

そして、茶入で薄茶を入れることはありません。茶入では濃茶点前のみなされていました。

お茶も高級品ですが、茶入も、超高級品でした。

江戸時代あたりには、茶入ひとつに一国の価値があるとされることもありました。(ここの領地を与える代わりに、この茶入を与える!とか。)

茶入というものは、本来、日本で作られたものではなく、中国から渡ってきた「唐物(からもの)」といわれるものでした。

東京の静嘉堂文庫美術館に所蔵されている付藻茄子(つくもなす)というお茄子の形をした有名な茶入も、唐物で、大名物です。

付藻茄子

引用:静嘉堂文庫美術館 付藻茄子

この唐物、中国からきたのですから、唯一無二といいますか、言わば、この世にひとつしかないものなので、それは価値が付けられるのも分かるなぁと思います。

(でも焼き物なんて、みんなこの世にひとつしかないですけどね‥。)

 

薄茶のために、千利休が使用を推し進めた棗。

全ての無駄を削ぎ落とした木と漆で作られています。

濃茶しかなかった茶道に、薄茶が生まれることになったのですね。

管理人は、棗というと、利休さんが樂家初代・長次郎と作り上げた楽茶碗、特に黒楽と似た雰囲気を感じます。

棗の形や塗は様々です

棗の形の種類は沢山。

利休型中棗が基本で、平棗や大棗などがあります。

塗りの方法としては、基本となるのはやはり、真塗り

真っ黒に漆でコーティングされただけの、シンプルな棗です。

真塗りは、木目が見えないことが重要とされています。

棗は木でできているので、経年変化していきます。年輪の間の木地の水分が抜けていき、結果年輪だけが目立つようになっていきます。

それでも漆の下に年輪が透けて見えない、というのが真の真塗りです。

 

その他、朱塗り、螺鈿、蒔絵といった技術を使って、少し華やかな棗もありますよ。

棗の見どころは合口(あいくち)

漆

先ほども紹介したように、棗は、木と漆で作られる漆器です。

まずは、木地で棗の形を切り出して、その上から漆を塗っていきます。

つまり、単純に考えると2段階の工程があるわけなのですが、良い棗は合口(あいくち)がピッタリと合うのです。

茶道では、茶席の中でお道具を拝見させて頂けるのですが、合口が合った棗に出会うと、心がザワッと浮き立つような感動を覚えます。

あとは、棗の中に入れるお茶の入れ方にも美学があります。

棗のお茶を掃く(はく)

棗の中に入れるお茶は、山型にこんもり入れるのが良いとされています。

でも、入れ過ぎもダメなんですが‥。

(コツがあるので、後日、写真掲載します。)

あと、なぜかは分かりませんが、棗にお茶を盛る際にはお茶を「掃く」と言います。

 

参 考

雄山閣編 図解 茶道具事典

淡交社編集局編 水屋の心得

角川書店 角川茶道大事典【本編】


【中古】図解茶道具事典 (1978年)


水屋の心得 (茶の湯実践講座)


角川茶道大事典


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