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年末にいただける川端道喜さんの御菱葩(おんひしはなびら)の試餅(こころみのもち)

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上の写真は、とらやさんのブログから引用させてもらいました「花びら餅」です。

花びら餅という名前が一般的になっていますが、本来は、川端道喜さんの「御菱葩(おんひしはなびら)」が正式名称です。

今では、川端道喜さん以外の様々なお菓子屋さんで花びら餅を出しておられて、お店ごとに少しずつ味や見た目も違っています。

花びら餅はお菓子なの?お雑煮なの?

『花びら餅』は、円餅(まるもち)に小豆色の菱餅・白味噌餡・砂糖煮にした
牛蒡をのせ、半月状に挟みおつくりしています。

引用:とらやブログ 花びら餅

とらやさんは、外側はお餅を使っておられますが、求肥のお店もあります。

お餅の中に、白味噌餡が入るのは和菓子でもあるかな?と思うのですが、甘煮したゴボウも入っているというのが、何とも不思議な感じに思いませんか?

管理人が初めて花びら餅を食べた時は、美味しいお菓子なのですが、何とも言えない気持ちになりました‥。

このお菓子としては不思議な組み合わせには、ワケがあるからなんですね。

花びら餅の由来は宮中行事にまで遡ります

花びら餅を作り始めたと言われている川端道喜さんは、室町時代後期から禁裏(御所)に出入りを許されたお餅屋さんです。

その道喜さんに残っている「川端道喜文書」のうち、御定式御用品雛形という絵巻物があるそうなのですが、そこにお正月の宮中の様子が描かれています。

御定式御用品雛形の御買物始

川端道喜に伝わる宮中の行事御用品を表した絵巻物『御定式御用品雛形』より〔画像提供:川端道喜〕  画像引用:瓜生通信 2017.01.13

  • 三宝の上に12枚、紅色のひし形のお餅を重ねた白い丸餅を並べる。
  • 各々その上に、搗栗(かちぐり)、榧の実(カヤの実)、飴、押し味噌、二匹の鮎を並べる。
  • 鏡餅と一緒に宮中に飾る。

という習わしがあったそうです。(真ん中の絵図)

紅色のひし形のお餅が菱餅(ひしもち)

白い丸餅が葩餅(はなびらもち)

として、現在の花びら餅の元々の形だったようです。

紅白のお餅というのは、梅の花をかたどったものらしいのですが、管理人がちょっと調べてみただけでは、詳しくはよく分かりませんでした。

 

ちなみに、右の絵図にある鏡餅にも、紅白のお餅の上に、白い丸餅と紅い菱餅が飾られているのが分かります。

すごく立派な鏡餅ですよね。伊勢海老も乗せるのは、我が家では無理だなー。

 

その後、丸餅の上に紅い菱餅を乗せて、さらに上に乗っていた鮎が、江戸時代の初期にゴボウに変わったそうです。

そして、お味噌が塗られて、宮中のお正月の宴で出されるようになったのだとか。

天皇陛下からのお正月の恩賜の配り物としても使われて、「宮中雑煮」と呼ばれました。

この宮中雑煮は、川端道喜製で、正式名称「御菱葩(おんひしはなびら)」の原形となったそうです。

この御菱葩が現在の花びら餅の原形です。

宮中では、手を汚さずにお雑煮を食べられるように、味噌をお餅で包むという逆転の発想で宮中雑煮が作られたと聞きます。

また、京都では、白味噌のお雑煮なのですが、宮中の人たちはあまり運動をしないので、塩辛いものはあまり食べず、甘いものを食べたそうだ、ということも聞いたことがあります。

お正月の宮中行事「歯固め」の儀式

「歯固め」は、「歯」には「齢(よわい)」の意味があり、正月に堅いものを食べて歯の根を強くし、延命長寿を願う行事で、古くは6世紀に中国の揚子江中流域の年中行事がまとめられたという『荊楚歳時記』に、正月に堅い飴の「膠牙餳(こうがとう)」をすすめたことが記されているそうです。

日本では、927年に完成した法令集『延喜式』や、土佐の国守として赴任していた紀貫之が、日記『土佐日記』の中で、大湊で過ごす元旦の記述に「芋茎、荒布、歯がためもなし」と出てくるので、平安中期には正月の行事になっていたようです。『源氏物語』の第二十三帖「初音」にも、「歯固めの祝ひして、餅鏡をさへ取り混ぜて」と登場します。

引用:瓜生通信 2017.01.13

お正月に延命を願う行事として「歯固め(はがため)」があったそうです。

平安時代に、歯固めで食べられたものは、源氏物語にある鏡餅以外では、鯛、鯉、鹿、押鮎といったものだったようです。

室町時代に入って、足利将軍家では、紅白12枚の菱餅を歯固めの餅として用いたそうなのです。

花びら餅の歴史まとめ|歯固めの儀式→宮中雑煮→御菱葩

花びら餅の由来を辿っていくと、

▷平安時代の歯固めまで遡れて

▷それが室町時代に歯固めの餅が紅白12枚の菱餅となり

▷江戸時代にお餅の上に乗せる鮎がなぜかゴボウとなり

▷その頃、宮中雑煮と呼ばれるようになって、

▷御菱葩(おんひしはなびら)の原形となっていった

ということのようですね。

 

そして、花びら餅の由来と言われるものを管理人的にまとめてみました。

花びら餅の由来
宮中のおせち料理が原形だと言われる ▶歯固めの行事
宮中のお雑煮だと言われる ▶宮中雑煮

ということなのだと思います。

茶道裏千家の御好である御菱葩(おんひしはなびら)

裏千家11代御家元の玄々斎が、宮中献茶を執り行い、御所から持ち帰った正月恩賜の「御菱葩(おんひしはなびら)」を初釜用の主菓子の原料に混ぜたそうです。

これが、裏千家と御菱葩(おんひしはなびら)の最初のご縁だそうです。

そして、玄々斎宗匠は、明治に入って天皇陛下が東京へ移られてから、宮中献茶を記念して川端道喜さんに初釜用の御菱葩(おんひしはなびら)の制作を依頼されました。

そして完成したのが現在の御菱葩(おんひしはなびら)となるのです。

 

裏千家御好(おこのみ)の初釜用主菓子となった御菱葩(おんひしはなびら)。

裏千家の初釜でしか御菱葩(おんひしはなびら)は使えません。

ということで、全国に広がった御菱葩(おんひしはなびら)を模したお菓子は、花びら餅という名前になったそうです(伝聞です)。

御菱葩(おんひしはなびら)を頂く機会が年末の試餅(こころみのもち)

年が明けると裏千家の初釜御用となるので、川端道喜さんの御菱葩(おんひしはなびら)は購入することが出来ません。

ですが、年末に、御菱葩の試作として作られる御菱葩が、4日間限定で「試みの餅」として少量購入できるようになっています。

試餅は、12月1日からの予約注文となっています。
御ちまき司 川端道喜 ☎075-781-8117

http://www.trip.kyoto.jp/spot/db/onchimakishi-kawabatadouki/

 

川端道喜さんの御菱葩・試餅は、中の白味噌餡がとろっとしています。

それをお餅で包むのは技術がいるそうで、なかなか川端道喜さんのような花びら餅には出会えないと思います。

なので、食べ方にもコツがいります。

黒文字でスパッと切ったら、味噌が流れますし、食べるのにも四苦八苦します。「御懐紙に包んで、端を少し折り曲げて、口元を隠して、そのままかぶって食べるのが失敗の少ない召し上がり方です」と先代の道喜のご主人が語っています。

引用:堀川佐江子さん 京都暮らし あれこれ
第8回 川端道喜の「御菱葩餅(おんひしはなびらもち)」

管理人の友人は、年末に田舎に帰省する際に、川端道喜さんの試みの餅をお土産にしているそうです。

年末に京都に来る際は、試み餅を頂くのはいかがでしょうか?

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